肝臓内科

肝臓内科について

肝臓肝臓は「沈黙の臓器」といわれ、病気があっても自覚症状が現れにくく、気付かないまま病気が進行していることも多いです。当院では、日本肝臓学会専門医の院長が丁寧に診療を行っており、脂肪肝、B型肝炎、C型肝炎などのウイルス性肝炎、原因不明の肝障害など、様々な肝疾患に対する診断と治療を行っています。小諸市、及び佐久市や御代田町など周辺にお住いの方々で、健診にて肝障害が指摘された場合などは、お早めにご相談ください。

定期検診を受けましょう

診察風景長野県小諸市では2018年度から肝炎ウイルス検診が始まりました。
対象者は対象年度に40・45・50・55・60・65・70歳になる方です。
実施期間は7月~12月になります。検査は無料です。
当院では肝炎ウイルス診療の経験豊富な肝臓専門医の院長が検診の結果を判定いたします。異常があればそのまま当院で治療を受けることができますので、肝炎ウイルス検診は小諸駅徒歩3分の当院にお任せください。

以下のような方は一度肝機能検査を受けることをおすすめします

  • 健康診断で肝臓の数値(AST(GOT)・ALT(GPT))が異常があった方
  • B型肝炎・C型肝炎ウイルスの検査を受けたことがない方
  • 家族にB型肝炎・C型肝炎ウイルスに感染している方がいる場合
  • 母子感染予防策開始前の1985年(昭和60年)以前に生まれた方
  • 過去に輸血や大手術を受けたことのある方

肝臓内科で診療する主な疾患

脂肪肝

脂肪肝は、肝臓に脂肪が異常に蓄積した状態を指します。ほとんど自覚症状はありません。通常、肝臓には3〜5%程度の中性脂肪が存在しますが、これが30%以上に増加すると脂肪肝となります。脂肪肝の主な原因は、過食、過度のアルコール摂取、運動不足、肥満、糖尿病などであり、その原因により以下の2つに分類されます。

アルコール性脂肪肝

過度のアルコール摂取が原因となる脂肪肝です。飲酒によって肝臓に負担がかかり、アルコールの分解過程で中性脂肪が蓄積されます。

非アルコール性脂肪肝

食事の過剰摂取や脂質異常症、糖尿病などによって引き起こされる脂肪肝です。アルコールは関与せず、他の要因が中性脂肪の蓄積を引き起こします。

非アルコール性脂肪肝炎(NASH)

非アルコール性脂肪肝炎(NASH)は、非アルコール性脂肪肝の進行により、肝臓で炎症が起こる状態です。NASHはアルコール性脂肪肝よりも重篤化しやすく、自覚症状がないため特に注意が必要です。近年増加傾向にあり、中年以降の女性に多く見られ、肥満や糖尿病を併発することも多いです。放置してしまうと肝硬変や肝臓がんのリスクが高まります。非アルコール性脂肪肝の治療は経過観察が主となりますが、日常生活の改善が重要です。食事では糖質や脂質の摂取を抑え、適度な運動を心がけましょう。

検査

超音波検査超音波検査が一般的に用いられます。超音波検査では、脂肪肝の程度や肝臓の状態を観察することができます。また、血液検査によって肝機能や肝炎ウイルスの検査も行われることがあります。

治療

脂肪肝の治療には、食事の改善や適度な運動、体重の管理などの生活習慣の改善が必須です。アルコール性脂肪肝では、飲酒の制限や禁酒が必要になります。定期的な検査や医師の指導のもとで、脂肪肝の進行を予防・管理することが重要です。
当院では、肝臓専門医が丁寧な診療を行っております。お気軽にご相談ください。

B型肝炎

B型肝炎はB型肝炎ウイルスによっておこる肝炎です。1か月から6か月ほどの潜伏期間を経て、発症します。母子間感染や乳幼児期の水平感染ではウイルスが肝臓に定着してしまうことが多く、一生涯にわたって感染が続きます。ウイルス保持者を「キャリア」と呼びます。
一方、成人後に感染した場合には1か月~2カ月で自然に治ることが多いですが、治癒後も少量のウイルスが肝臓内に残り、再発することがあります。

症状

主な自覚症状は発熱、体のだるさ、黄疸、食欲不振、吐き気などです。多くの症状は風邪と似ていますが、一週間ぐらいで改善する風邪と比べると症状は長期化することが多いです。

ウイルスに感染した患者さんの約90%は肝炎を発症した後に治癒しますが、残りの10%程度の患者さんは慢性肝炎から肝硬変へと進行します。B型肝炎ウイルスの中には慢性化しやすいタイプがあることが判明しています。

検査

肝炎の検査の基本となるのが血中のAST(GOT)とALT(GPT)です。この数値が高いということは言い換えれば肝臓の障害が高度である、つまりは肝炎が活発化していることを示しています。
また、B型肝炎の検査でも診断の指標として使われることが多いのが「HBs抗原検査」です。B型肝炎では常にHBs抗原が陽性になります。

病気の進行度を測るには血小板数を調べます。血小板数が少ないほど肝臓の線維化(硬くなること)が進んでいることになります。10万以下ならば肝硬変、15万~18万程度なら軽度と診断されます。

治療

治療方針を立てるうえで重要になってくるのが年齢です。35歳を過ぎても肝炎が慢性的に続く場合は、その後悪くなることが多いので注意が必要です。また、男性は女性より危険度が高く、血縁者にB型肝炎の患者がいる人はリスクが高くなります。
B型肝炎の治療には「核酸アナログ製剤」と「インターフェロン」があります。前者は強力ですが投与を中止すると肝炎が再燃しやすいというデメリットもあります。後者は効き目が穏やかですが、効果が出ると長続きしやすいという特徴があります。どちらにも長所と短所があるため、自己の症状に応じて薬を選ぶことが大切です。

C型肝炎

C型肝炎はC型肝炎ウイルスによっておこる肝炎です。2週間から6か月ほどの潜伏期間を経て、発症します。ウイルスに感染するといったん急性肝炎になりますが、その後約7割の患者さんが慢性肝炎になります。慢性化すると自然に治癒することは稀で、徐々に肝臓が固くなっていきます。
自覚症状は少ないですが病気は確実に進行していき、平均的に推移すれば20年で肝硬変、30年で肝臓がんになります。

症状

C型肝炎は他の肝炎に比べると自覚症状が少なく、本人が気が付かないことが非常に多いです。典型的な症状は発熱、体のだるさ、黄疸、食欲不振、吐き気などです。

その他、手掌紅斑(掌が赤くなる)、発疹などが現れることもあります。目に見える症状が出た時は、必ず受診しましょう。

検査

肝炎の検査の基本となるのが血中のAST(GOT)とALT(GPT)です。この数値が高いということは言い換えれば肝臓の障害が高度である、つまりは肝炎が活発化していることを示しています。
また、C型肝炎ウイルスに感染しているかどうかを調べる場合には、血液中の抗体があるかどうかを調べます。抗体がある場合は現在感染しているまたは過去にC型肝炎ウイルスに感染していたことになります。

その後血中にC型肝炎のウイルスがあるかどうかを調べます。これが陰性ならば過去に感染していたことになりますが、陽性の場合は現在感染していることになります。

治療

現在はDAA製剤(直接作用型抗ウイルス薬)という内服薬を2~3か月間内服することによりウイルスを消失させる治療が行われています。以前使用されていたインターフェロンと異なり副作用も少ないため、ご高齢の方でも多くの方がこの治療を受けC型肝炎ウイルスが消えています。かなり高い確率でウイルスが消失しますのでC型肝炎ウイルスに感染している方は積極的にこの治療を受ける必要があります。
通院治療が可能であり、医療費助成の申請を行うことにより自己負担額は月額1万円または2万円となります。

このページの監修者

髙橋 政義 Masayoshi Takahashi

髙橋 政義 Masayoshi Takahashi

医療法人社団 慈圭会 髙橋内科医院 院長

  • 日本内科学会認定医
  • 日本消化器病学会専門医
  • 日本消化器内視鏡学会専門医
  • 日本肝臓学会専門医
  • がん治療認定医
  • 日本医師会認定産業医
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