慢性胃炎(萎縮性胃炎)と診断されたら

胃炎とは

胃炎とは

胃の粘膜に炎症を生じている状態で、慢性胃炎と急性胃炎の2種類に分けられます。暴飲暴食やストレスなどによる自律神経の乱れ、喫煙やアルコールなどが関与し一時的に起きるのが急性胃炎です。慢性胃炎は長期にわたって症状が続きます。ピロリ菌の感染が原因となっている割合が最も多く、二番目に多いのはNSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)による副作用です。ピロリ菌感染が原因の場合は、除菌治療を行うことで症状の改善と再発率を大幅に下げられます。萎縮性胃炎は胃がん発症の危険性を高めてしまう疾患です。慢性的に症状が続いている際は、早急に当院までご相談ください。小諸駅から徒歩3分でご来院いただけます。

症状を解消するために適した治療

慢性胃炎はピロリ菌感染・薬の副作用によって炎症が生じている場合がほとんどですが、炎症が確認できずに症状のみが現れることがあり、この場合は機能性ディスペプシアが疑われます。
知覚過敏や消化管の機能が低下してしまっていることが胃炎症状を引き起こす原因とされています。機能性ディスペプシアは消化器内科で適切な治療が可能です。また、ピロリ菌の感染による慢性胃炎は除菌による治療が最も効果的です。除菌治療に成功することで、萎縮性胃炎を進行させずに、胃がん発症のリスクを抑えることができます。ピロリ菌感染や機能性ディスペプシアは慢性胃炎の原因として多くの患者様が悩んでおられます。長く続く胃炎症状でお困りの方は、当院までお気軽にご相談ください。

急性胃炎・慢性胃炎(萎縮性胃炎)の症状

急性胃炎

慢性胃炎(萎縮性胃炎も同じような症状が見られます)

市販薬などで一時的に症状が緩和できても、その後に再発してしまう方は消化器内科での検査を推奨いたします。また、ご家族でピロリ菌に感染した方や胃がんになった方がいる方は、症状がなくても検査を受けて健康状態をチェックするようにしましょう。

胃炎の要因と種類について

急性胃炎

胃の粘膜が突発的な炎症を起こしている状態です。主に暴飲暴食、刺激物・アルコール・カフェインの過剰摂取、喫煙などが原因とされます。また、自律神経の乱れが要因となる場合も多く、ストレスや睡眠不足などの生活習慣の乱れによって発症しやすいです。

慢性胃炎

ピロリ菌の感染

慢性胃炎の原因として最も多いのがピロリ菌感染です。ウレアーゼと呼ばれる酵素で尿素を分解してアンモニアを発生させることで、ピロリ菌は胃の中で生存し続けます。このピロリ菌により慢性胃炎が発症します。

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NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)による副作用

市販薬にも含有されている成分です。数回程度の服用でも胃炎症状が現れることがあり、胃潰瘍などの疾患を誘発する可能性もあります。お薬の服用を始めてから胃炎の症状が見られるようになった場合は、お早目にご相談ください。

萎縮性胃炎

胃の粘膜は粘液で守られており、ダメージを受けても修復が可能です。修復が追いつかなくなるほど、胃粘膜が萎縮することで萎縮性胃炎が生じます。萎縮性胃炎が悪化・継続していると腸上皮化生を生じ、その一部ががん化することで胃がんが引き起こされます。

機能性ディスペプシア

消化管の知覚過敏や機能低下が原因で生じる疾患で、大きな要因は自律神経の乱れにあります。生活習慣やストレスは自律神経のバランスを大きく左右するため、日常生活を見直すことが症状の改善に役立ちます。

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胃がんと萎縮性胃炎について

胃炎が慢性的に続くと、胃粘膜の修復が間に合わず、萎縮性胃炎を発症することがあります。萎縮性胃炎がさらに進行すると、胃粘膜が腸粘膜と同じような状態になる腸上皮化生を生じ、一部ががん化してしまうこともあります。また、腸上皮化生になると、ピロリ菌が生息できないほど胃粘膜の環境が悪化するため、ピロリ菌感染検査をしても陰性になることがあります。しかし、胃がんのリスクが高いことに変わりはありませんので、定期的な胃カメラ検査を受けて早期発見と治療を目指しましょう。

ピロリ菌の感染が原因の場合、胃がんリスクを減らすために除菌治療が推奨されます。ピロリ菌の除菌に成功した場合胃がんの発症リスクが低くなりますが、ゼロにすることはできませんので、定期的な胃カメラ検査を実施することが重要です。

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胃炎の検査

急性胃炎の検査

診療時に内服しているお薬や受診前の食事内容、飲酒の状況などをお伺いし、原因に合わせて治療を行います。明らかな原因が見つからない場合には、胃カメラ検査を行い、胃粘膜の状態や疾患に合わせた治療を行います。

慢性胃炎

診療時に内服しているお薬などを確認した上で、胃カメラ検査・ピロリ菌感染検査を行います。胃の粘膜がどの程度の範囲で炎症を起こしているか、萎縮性胃炎の有無などを確認します。疑わしい病変は組織を採取し病理検査を行うことで原因の究明に努めます。当院では内視鏡専門医が、患者様の苦痛に配慮しながら精密な検査を行います。

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胃炎の治療

症状自体は胃酸分泌抑制薬などの内服薬によって短期間で改善させることが可能です。症状が治まっても途中で内服を中断せずに、医師の指示通りに炎症が完治するまで内服するようにしましょう。ピロリ菌の感染による胃炎は、除菌治療を行います。ピロリ菌を除菌することで胃がんやその他の疾患の予防や、再発防止に繋がります。
炎症の原因が非ステロイド性抗炎症薬など薬の副作用が原因である場合は、処方の変更や休薬することが有効な手段ですが、体の状態や疾患によって処方の変更や休薬が難しい場合もあるため注意が必要です。その際は消化器内科で適切な治療を受けながら、炎症が発症しにくい状態を保ちつつ、お薬を服用することで、体への負担を最小限に抑えられます。その他にも自律神経の乱れや生活習慣の乱れ、ストレスなどが原因となる場合がありますので、生活習慣を改善することも大切です。

薬物療法

患者様の健康状態や生活習慣をお伺いし、粘膜保護薬や胃酸分泌抑制薬などを使用して治療を行います。

ピロリ菌除菌

ピロリピロリ菌の除菌治療では、1週間、抗生物質2種類と抗生物質の作用を高める胃酸分泌抑制薬を服用します。ピロリ菌の中には抗生物質に耐性を持っているものもあり、除菌が失敗することもあります。その場合は、抗生物質を1種類変更し、再度除菌治療を行います。
1回目の除菌治療の成功率は70~80%で、1回目と2回目を合わせた除菌治療の成功率は、97~98%です。
除菌判定は服用終了から2ヶ月程度経過してから行います。また、胃カメラ検査によって胃炎が発覚し、ピロリ菌検査を受ける場合は保険適用となり、この検査でピロリ菌の陽性反応が出た際に受ける除菌治療は2回目まで保険の適用が可能です。

生活習慣の見直し

暴飲暴食や不摂生な食事、睡眠不足などの生活習慣の乱れは胃炎を引き起こす原因となりやすいです。またアルコールやカフェイン、刺激物の過剰な摂取と喫煙も疾患を発症させる可能性が高くなるため、避けるようにしてください。

除菌治療を行った後のピロリ菌の再感染について

ピロリ菌は免疫力や胃酸の弱い幼少期に感染し、大人になってから感染することは基本的にはありません。ピロリ菌で汚染されている井戸水などからの経口感染であると考えられています。そのため日本を含む先進国では上下水道が整備されているので、感染者数は減少傾向にあります。ただし、日本では若い世代で2割程度、高齢者では8~9割程度の感染者がいるとされています。

そしてピロリ菌は一度感染すると、ピロリ菌が生存できないレベルの胃粘膜の炎症が起きるか、除菌による治療を行わない限り、体内に留まり続けます。ピロリ菌を除菌することができれば、胃炎の再発を防ぐことができ、萎縮性胃炎の防止に繋がり、胃がんの予防にも繋がります。しかし、胃がんのリスクを完全になくすことはできないため、定期的な胃カメラ検査が必要です。

このページの監修者

髙橋 政義 Masayoshi Takahashi

髙橋 政義 Masayoshi Takahashi

医療法人社団 慈圭会 髙橋内科医院 院長

  • 日本内科学会認定医
  • 日本消化器病学会専門医
  • 日本消化器内視鏡学会専門医
  • 日本肝臓学会専門医
  • がん治療認定医
  • 日本医師会認定産業医
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